Q26 新しい「ニキビ治療」について
新しい「ニキビ治療」について教えてください
診断書
ニキビの発生を抑える治療が主流になっていくと思います。
ニキビは毛穴のつまりから始まり、次に皮脂が毛穴の中に溜まり、最後に毛穴の中のニキビ菌により皮脂から脂肪酸が作られて炎症を生じてきます。
従来の我が国のニキビ治療は、もっぱら最後の段階のニキビ菌を標的にしたもので、抗生物質の内服、抗菌剤のつけ薬が主流でした。欧米ではそれらに加えて、レチノイドというつけ薬による治療がかなり前から行われていました。この薬は、ニキビのスタートとなる毛穴の詰りを改善することによりニキビの発生を抑えるという効果があり、欧米でのニキビ治療の主流となっています。しかしながら、このつけ薬は日本人や韓国人には強い刺激作用があるために、日本では販売されてきませんでした。その意味で、日本のニキビ治療は欧米に比べて立ち後れていた訳です。
最近になって毛穴のつまりを取る効果は同等で、刺激はかなり少ないレチノイドによく似た物質が発見され、2年前から日本でも使うことができるようになりました。この薬は継続的に便用することにより、ニキピの発生を抑えて行きますので、我が国でもニキビ治療の主流になっていくと思われます。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝