Q34 夏によく見られる皮膚病について
夏によく見られる皮膚病について教えてください
診断書
季節に応じていろいろな皮膚病が生じますが、夏を迎えたこの時期にいくつかの特徴的な皮膚病がみられます。
一つ目は毛虫皮膚炎です。毒蛾(どくが)の幼虫である毛虫の体表には成虫の鱗粉(りんぷん)と同じように0.1ミリ程度の毒の棘(とげ)があり、これが一度にたくさん抜け落ちて皮膚に刺さってきます。皮膚には刺さった棘に応じて非常にたくさんの赤い盛り上がったぶつぶつを生じます。
二つ日は植物によるかぶれです。子どもが草むらに入って遊んだり、一斉清掃などで草むしりをした後など、1~2日経ってから露出した部分に小さな水ぶくれをもったぶつぶつや赤い斑を生じてきます。これらの発疹(ほっしん)が線状に出現してくることが多いのが特徴です。
三つ目は湿布による光かぶれです。これはもっぱらケトプロフェンという成分の湿布を手首、腕、ふくらはぎ、足首などに貼って、その後日光に当たるために生じてきます。中学生や高校生が身内の人の湿布を使用して起こる事が多いようです。この成分は貼った後でも1カ月以上もの間皮膚に残留するため、症状はかなり時間が経ってから起こってきます。注意書きに光線過敏のことが
書かれている湿布は露出部には貼らないようにしてください。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝