Q38 脂漏性皮膚炎について
脂漏性皮膚炎について教えてください
診断書
体の皮脂の多い部位に発赤を生じます。
頭や顔によく見られる湿疹に脂漏性皮膚炎という病気があります。脂漏とは皮脂(皮膚の油分)が多い状態をさす言葉で、体の皮脂の多い部位を脂漏部位といい、頭部や顔面のいわゆるTゾーン、耳周り、胸や背中の中央部、脇、股がそれにあたります。この脂漏部位を中心に発赤を生じてくるのが脂漏性皮膚炎です。
脂漏部位に生じる病気ですが、皮脂の量は必ずしも増加していません。未だに原因のはっきりしないところもある病気ですが、皮脂の質、毛穴のなかにいる細菌やカビなどの菌、ビタミン欠乏などいくつかの要因が関連しています。
脂漏性皮膚炎は生まれたばかりの新生児に起こる揚合と思春期以後の成人に起こる場合があります。新生児期は一時的に男性ホルモンが上昇するので、これに伴ってニキビや脂漏性皮膚炎を生じるわけです。
治療はステロイド軟こうやカビに対する抗真菌剤の外用やビタミンの内服になります。新生児期の脂漏性皮膚炎は一時的なものでその後起こらなくなりますが、成人期のものは長期間にわたって出没を繰り返すことが多いので、根気よく治療をする必要があります。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝