Q39 マダニによる病気について
マダニによる病気について教えてください
診断書
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病、日本紅斑熟などがあります。
マダニによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報道で、今年はマダニに刺されて受診される方が急増しています。
実は、マダニはSFTSよりも発症率が高い重大な病気を引き起こします。その一つがライム病で、最初はマダニの刺し口を中心に輪状の発赤を呈し、放置すると神経や心臓をはじめとした全身が侵されます。もうらは、日本紅斑熟です。発熱とともに全身に発疹を生じ、リンパ節が腫れたり、内臓が侵されたりします。ダニの刺し口に黒いカサブタができるのが特徴です。この病気はその病原菌が似ているので、ツツガムシに刺されて起こるツツガムシ病に似ています。
マダニは皮膚に口を差し込むと周囲をセメントで固めるので、皮膚についたマダニを無理に取ると皮膚の中に口が残ります。また、ダニをむしり取る際に病原菌を人体に押し込む危険性もあります。マダニに咬まれた場合は岐まれた皮膚ごとマダニを切り取ります。SFTSと異度なりライム病や日本紅斑熟の病原菌には抗生物質が効きますので、1週間ほど抗生物質を内服します。
ダニに絞まれそうな場所に行く時は、表面の滑らかな明るい色の着衣で、裾は長靴やソックスの中に入れ、ダニの侵入を防ぐような注意も必要です。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝