乾燥による湿疹(しっしん)やしもやけがあります。
冬期にはいくつかの皮膚病が起こりやすくなります。最もよく見られるのは乾燥による皮膚病です。冬期は空気が乾燥するため皮膚の水分が失われて皮膚乾燥を生じ、湿疹(しっしん)を生じやすくなります。これを生じやすいのはアトピー体質の人や高齢者です。本来、皮膚には保湿成分が存在し乾燥を防いでいるのですが、アトピー体質の人や高齢者は、この保湿成分が減っているため冬期に皮膚が乾燥しやすくなります。皮膚乾燥の湿疹が生じてくると、やがて引っかいたところに赤みが強く、湿潤性の貨幣状皮膚炎という湿疹を生じやすくなります。治療はかゆみ止めの内服やステロイド外用薬を塗布します。軽快した後は保湿剤を外用します。乾燥性の湿疹を生じやすい人は空気が乾燥し始める頃から保湿剤を外用し、皮膚乾燥を予防するのがよいでしょう。
他によく見られる冬の皮膚病としては、しもやけがあります。気温が4~5℃で1日の温度差が10℃以上の気温で起こります。また 湿り気があるとしもやけは起こりやすくなります。治療はビタミンEや漢方薬などの内服、ビタミンEの外用を行います。予防の第一は保温ですがぬれた手足は早めに拭き、靴下を履き替えることも重要です。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝