低温熱傷などに注意が必要です。
毎年、冬になると暖房器具による皮膚のトラブルをみかけます。冬支度に当たっては、このようなトラブルを起こさないような注意も必要です。
1つ目はカイロや湯たんぽによる低温熱傷です。このヤケドは40℃から50℃位の比較的低い温度が長時間皮膚にあたり生じます。皮膚の深い所まで熟が作用したヤケドとなるため、治ってもヤケド跡を残します。予防法はカイロや湯たんぽと一緒に寝ないことです。前もってカイロなどを布団に入れておき、寝るときには外に出すようにして下さい。
2つ目はストーブの上に置いたやかんの熱湯によるヤケドです。加湿器などを利用して、ストーブの上にはやかんを置かないようにして下さい。
3つ目は電気こたつやストーブを皮膚に近づけて暖をとるために生じる、俗に「火だこ」と呼ばれる皮膚病です。これは1日や2日で起こるものではなく、月単位の長期間皮膚を熟し続けるために起こります。皮膚に網目状の発赤を生じ、時に水ぶくれになります。こたつの温度を上げて長い間入りっぱなしの老人やストーブをそばにおいて仕事をしている人がこれを起こします。対策は、こたつの温度はあまり上げないこと、ストーブを近づけて置かないようにすることです。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝