皮膚に住み着いている常在菌によって、引き起こされる病気があります。
お風呂場にカビが生えるように高温多湿の夏期にはカビによる皮膚病が増加します。
カビによる皮膚病でもっともよく知られているのは、水虫に代表される白癬(はくせん)でしょう。白癬菌は水虫などにかかった人からお風呂マットなどの身の回りにばらまかれ、これを別の人がもらって人から人へと伝染していきます。
白癬菌のようにうつってくるものとは別に、皮膚には常在菌とよばれるカピやばい菌がたくさん住み着いています。これらの菌は互いに均衡をとっているときは病気を引き起こしませんが、均衡が破れて異常に増殖すると病気を引き起こします。
このような常在菌のカどの一つがカンジダです。手の指や足の指の問、股や脇などの皮膚が密着しやすい部位、おむつの中、手の爪国りなどによく病気を起こします。足に生じた場合は水虫と非常に紛らわしくなります。また、女性の中指と薬指の間が赤くただれてくるのは、ほぼこのカビによるものです。
もう一つの常在菌のカビは癜風(でんぷう)菌です。この菌は油を好み、普段は皮脂腺のある毛穴の中に住み着いていますが、夏の汗をよくかく時期になると皮膚の表面で増殖して茶色い斑点や白い斑点を生じてきます。茶色くなるか白くなるかは人によって異なります。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝