適度低下による皮膚乾燥に注意が必要です。
酷暑、多湿の夏が終わり、気温も下がる時期になると、肌がかさつき、かゆくなる方が増えます。これは湿度低下に伴う皮膚乾燥で起こります。
皮膚には元々湿度の低下による乾燥を防ぐための機能が備わっています。皮膚の表面の角質、その中に含まれるセラミドや天然の保湿成分がその役割を担っています。しかし、これらの成分は年齢とともに減少するため、中高年以上では肌の保湿力が落ちてきます。また、アトピー体質の人は生来保湿成分を作る力が低いために保湿力が低下しています。最近では、アトピー性皮膚炎の方に天然保湿成分の元となるフィラグリンという物質の遺伝子に異常があることがわかり、病因の一つとして注目されています。
冬場に肌がかさつき、かゆくなりやすい方は、湿度の下がり始めるこの時期から保湿を行うのがよいでしょう。具体的には1日1回、入浴直後に保湿剤を塗布するのがよいでしょう。
本格的な冬を迎えると、湯たんぽやカイロによる低温熱傷を受傷される方が出てきます。低温熱傷は一生消えない傷跡を残すことが多いので、予防がとても重要です。湯たんぽやカイロは寝る前に布団の中に入れて暖めておき、寝る時には布団の外に出して一緒にな内容にしてください。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝