ワセリンなどを塗布して皮膚の水分喪失を防いだり、保湿剤を塗布して皮膚の水分保持力を補助します。
冬場は湿度が低下しているために皮膚も乾燥してきます。皮膚には乾燥を防ぐ仕組みがあります。一つは体内から水分が失われるのを防ぐバリア機能と、もう一つは皮膚に水分を保持する保湿機能です。バリア機能は細胞同士が密着して水を漏らさないようにする機能で、保湿機能は水と結合する物質により水を皮膚にとどめる機能です。
これらの機能が落ちると皮膚は乾燥します。例えば、アトピー性皮膚炎ではバリア橡能と保湿機能の両方が低下し皮膚が乾燥します。高齢者ではバリア機能は保たれていますが、保湿機能が低下しているために皮膚が乾燥します。手術や火傷の傷跡には保湿力がありますが、バリア機能が低下しています。また体の部位で言えば、顔も保湿機能は高くてバリア機能が低い部位です。
冬場のスキンケアはこれらを踏まえて行います。バリア機能の低下に対しては、ワセリンなどを塗布して油の膜を作り皮膚からの水分の喪失を防ぎます。保湿機能が落ちている場合は保湿剤を塗布して皮膚の水分保持力を補助します。
皮膚の汚れを落とし清潔にすることは重要ですが、洗浄剤は同時に必要な油分も落としてバリア機能や保湿機能を損なう危険性もあるので、洗い過ぎやごしごしと皮膚をこするのはよくありません。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝