水痘(水ぼうそう)と帯状疱疹は同じ原因ウイルスによる病気ですが、起こ り方に違いがあります。
このウイルスに初めて感染すると水痘を生じます。 このときに免疫ができるので、一度水痘にかかれば二度とはかかりません。しかし水痘が治っても、こ のウイルスは体からは消えず、脊髄(せきずい)の 感覚神経のところに潜伏します。体が弱ったときに、 潜伏したウイルスが神経に沿って皮膚に現れるのが 帯状疱疹です。水痘は初感染、帯状疱疹は再発病変 というわけです。
皮膚の感覚は、帯状に仕分けされて、それぞれが 左右別々の神経により伝えられています。したがって、 ここを伝わって出てくるウイルスによる発疹は帯状 に分布することになります。 左右が別々の神経によ っているので、帯状疱疹は普通片側にしか起こりま せん。 よく「帯状疱疹が体を一周すると死んでしまう」 という話を耳にしますが、これはまったくの迷信です。 神経に沿って出てくるため発疹が出る数日前に痛み を生じることが多く、経過中や時には発疹が治って からも痛みがあります。
帯状疱疹の水痘にはウイルスがいるので、まだ水疱にかかっていない人が接触すると、その人には水 痘が生じることになります。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝