年に２～３回再発するもので、予兆がある場合、早期から薬の内服をおすすめします。
水ぼうそう・帯状疱疹を生じるウイルスの他に、単純ヘルペスという別のウイルスがあります。このウイルスは１型と２型があり、主に１型は唇に、２型は陰部に水ぶくれを起こします。 このウイルスも最初の感染後は、脊髄や顔の神経に潜伏し、おりにふれて再発してきます。 帯状疱疹が一生で１回、多くても２回程度しか生じないのに比べ、単純ヘルペスは平均で年に２～３回再発します。 このウイルスも帯状疱疹ほどではありませんが多少の痛みを伴い、
発疹の出る数日前に予兆として、唇に違和感や痛みなどが生じることがあります。
唇のヘルペスの再発には、日光浴などの紫外線、唇の外傷などが引き金になることもあります。
アトピー性皮膚炎の湿疹が顔や首にある場合、単純ヘルペスの水ぶくれが湿疹の上に無数に生じてくることがあります。これはカポジ水痘様発疹症と呼ばれる重症の単純ヘルペスです。アトピー性皮膚炎の人が初めてこのウイルスに感染したときにも生じますし、唇の再発性のヘルペスが広がっていくこともあります。
ヘルペスの治療には抗ウイルス剤の内服が効果的であり、予兆がある場合は早期から内服を開始し、発疹の出現を阻止できることもあります。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝
