40~50℃の低い温度で生じる火傷(やけど)のことを言います。
昨冬この欄でも取り上げましたが、冬になると低温熱傷を受傷される方がおられます。低温熱傷とは、通常では直ちに火傷(やけど)にならないような40~50℃の低い温度で生じる火傷のことを言います。このような温度での火傷は長時間の接触によって起こりますので、熱が奥まで達して往々にして非常に深い火傷になっています。
具体的には、睡眠中に湯たんぽやカイロによってすねに火傷を受傷して来院されます。
火傷は2週間以内に治れば傷跡を残しませんが、それ以上かかる深い火傷では、疲痕(はんこん)という傷跡を残してしまいます。低温熱傷はかなり深い火傷であり、治るのに通常でも1~2カ月、長いときには3カ月もかかることがあり、かなりの傷跡(療痕)を残します。
今年の冬も湯たんぽなどを使われる方は多いものと思われます。湯たんぽやカイロによる低温熱傷は注意をすれば防げる火傷ですが∴注意を怠るとたった一晩で火傷を負い、ずっと消えない傷跡を残します。
注意点はただ一つ、湯たんぽやカイロと一緒に寝ないことです。
つまり、前もって暖房具を布団に入れて布団を暖めておき、布団に人が入るときには暖房具は外に出すようにしてください。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝