うなじや脇の黒ずみに注意してください。
皮膚の療状には内臓の病気に関連して生じるものがあり、皮膚症状から内臓の病気を推定できることがあります。肝臓が悪いときに黄疸で皮膚の色が黄色くなるというのが分かりやすい例でしょう。
内臓の病気の中でも、特にがんと関連するいくつかの皮膚病が知られており、その中の一つに黒色表皮腫という病気があります。この病気では、うなじ、脇、鼠径(そけい)部などのこすれる部位が黒ずんで厚くなり、ざらざらしてきます。このような症状を呈する方に胃がんなどの内臓がんが見つかる事があります。
ただし、この症状が必ず内臓のがんと関連するわけではなく肥満や糖尿病に関連するインスリン異常があるときにも生じてきます。このような場合は通常若年者に起こり、一方がんに伴うものは40歳以降の方に起こることが多いです。
したがって40歳以降の年代で、肥満撮や糖尿病のような症状のない方がうなじや脇が 黒ずんで きたと感じたら、皮膚科や内科を受診したり、がん検診を受けるようお勧めします。
葉狩皮膚科クリニック 院長
葉狩良孝